質問
去る12月2日に「’07EXPO’70 わたしと万博」展が終了いたしました。千里ニュータウン展に引き続き、市民委員の皆さんが努力され1万5,000人余りの来場者がございました。この2年間、50名を超える市民委員の皆さんは、博物館に強い愛着と誇りを持って活動されていたように感じます。
そんな中で、複数の気になるお声をお聞きいたしました。それは、自分たち市民が頑張って博物館に人を呼び、にぎやかにしたけれども、これが終わってしまうと、また元の閑散とした博物館に戻ってしまうのではないか、そもそも博物館や職員の体質は変わったのだろうか、自分たちの必死の努力に意味があったのかというものです。こういった声の出ることが市民企画展の大きな成果だと思います。
私は、これらの声と市民の皆さんの努力を無駄にしないためにも、今後も市民委員の方に博物館の運営自体にかかわっていただくべきと考えております。一つは、この2年間つぶさに博物館とかかわった経験を生かして、今後の博物館をどう活性化すべきかなどについて意見をいただくこと。また、これから策定する博物館の中期ビジョンについて、市民委員経験者を正式に策定委員の中に入れること。少数ではなく、できるだけ多くの市民委員経験者が参画できる仕組みとすることです。この点、市民委員の方の声にお答えすること。私の提案に対し市長のお考えはいかがかお聞かせください。(↓答弁1へ)
また、もう一つ別の視点ですけれども、私自身も市民委員として御一緒させていただきましたけれども、博物館と文化財保護部門の関係に疑問を持ちました。この2年の市民委員の活動には、文化財保護担当職員の方の積極的なお手伝いが見えませんでした。市民の皆さんも疑問をお持ちでした。そこで、埋蔵文化財に関して、大阪府教育委員会担当者にお話をお聞きしてまいりました。そもそも、文化財保護部門は、市内の開発に当たって、開発担当部門との調整を行う部署であり、博物館の中に担当を置いているところは珍しいとのことでした。
吹田市では、博物館建設に係る経緯の中で、このような体制になったのだと思いますが、博物館のバックヤードには発掘した埋蔵物が箱で山のように積まれております。湿度調整している収蔵庫にも2,700箱の埋蔵物が積まれており驚いたことがありますが、府の担当者によると、湿度調整などは一切必要ないとのことでした。また、学校の空き教室にも900箱の埋蔵物を保管しているとのこと。まだ半分しか保存記録作業を終えていないとのことです。
さて、今後吹田操車場跡地の開発により、埋蔵物が出土することが予想されます。現在、国の考え方は、調査した後、基本は現状維持で埋め戻すことだそうです。どれほどの発掘になるのかわかりませんが、これを機会ととらえ、全く別に埋蔵物の保管場所をつくり、博物館から埋蔵文化財の担当を切り離すのも一つの手段ではないでしょうか。
それができないのであれば、文化財保護担当者も博物館の一員として活性化に尽力すべきと考えます。また、今後の中期ビジョンでも、この点も踏まえての策定が必要となります。とにかく、現状では、組織も職員の意識も中途半端で、博物館内部のスペースもしかりです。デッドスペースが山のようにあります。
そこでお伺いいたしますが、文化財保護担当部署についての考え方、過去5年間の仕事と成果、今後の発掘、成果の市民への還元、私の提案に関する市長の御意見についてもお聞かせください。(↓答弁2へ)
答弁1:地域教育部長
本年12月2日までを会期として開催してまいりました平成19年度(2007年度)秋季特別展「 ‘07EXPO’70 わたしと万博」につきましては、議員御指摘のとおり、博物館といたしまして、2回目の公募市民による企画によって行われた展示であり、盛会のうちに無事閉幕いたしました。
このことにつきましては、実行委員として参画された市民の皆様や、御協力いただいた関係者の皆様方に厚くお礼を申し上げる次第でございます。
博物館の将来について幾つかの御指摘をいただきましたが、博物館では、ここ数年、市民にわかりやすい展示、参加体験型の事業や展示、市民参画の展示などの考え方を基本に、さまざまな展示やイベントを開催してまいりました。今後もこのような考え方を基本として、博物館の運営に当たってまいりたいと考えております。
なお、博物館の将来計画の策定につきましては、平成18年(2006年)11月28日に博物館協議会に対しまして、吹田市立博物館の使命、中・長期計画、点検、評価についてを諮問いたしました。この諮問は、平成15年(2003年)8月の博物館の活性化についての提言、及び平成16年(2004年)3月にいただきました博物館の活性化についての答申に基づき、博物館の具体的な行動目標を策定しようとするもので、平成21年度(2009年度)の答申を目指して博物館協議会は小委員会の立ち上げなどの作業に入ったところでございます。
博物館といたしましては、本計画策定に当たって、市民からさまざまな意見を聞くシステムを検討するとともに、策定作業を行う小委員会において、現に密室での論議にならないように協議会に要望いたしており、論議の過程においては、市民の意見を聴取する何らかの手法が取られるものと考えているところでございます。
今後の論議に際しましては、その点十分に留意しつつ、計画の策定に入っていきたいと考えております。
答弁2:地域教育部長
文化財保護に係る御質問でございますが、過去5年間の埋蔵文化財の業務に関しましては、開発案件の事前相談が年間1,300件から1,915件、発掘調査が11件から33件、試掘調査が6件から19件、工事への立ち会いが49件から91件でございました。
また、埋蔵文化財以外の業務といたしまして、旧西尾家住宅(吹田文化創造交流館)、旧中西家住宅(吹田吉志部文人墨客迎賓館)などの歴史的建造物の保存活用を含めた文化財保護全般の業務にも携わっております。
発掘調査に伴い出土した遺物につきましては、大阪府教育委員会並びに文化庁に報告し、文化財保護法に基づき保存していく必要があることから、博物館の収蔵庫で保管するとともに、発掘調査成果展や歴史講演会を開催し、市民の皆様方に御報告させていただいているところでございます。
出土遺物の保存につきましては、平成9年(1997年)の文化庁からの出土品の取り扱いについての通知におきまして、適切かつ合理的な保存、管理のための施設の充実と体制の整備が求められるとともに、材質、遺存状況において脆弱なものは空気調節などの設備の整った施設において保管、管理を行うこととされております。
博物館におきましては、資料調査や活用に当たって、博物館の収蔵庫に保管するとともに、大阪府指定文化財等の重要な遺物につきましては、特別収蔵庫に保管し、市民の皆様方へ還元できるよう展示などの活用方法を検討してまいりたいと考えているところでございます。
今後の発掘調査などにつきましては、吹田操車場跡地の吹田操車場遺跡などの埋蔵文化財の対応が必要となりますので、調査成果の報告や出土遺物の展示などを検討してまいりたいと考えているところでございます。
また、発掘調査などにより多量の出土遺物などの保存の問題が予想されますことから、収蔵庫における問題点を検討してまいりたいと考えているところでございます。
埋蔵文化財の担当を博物館の組織から切り離してはどうかという御指摘でございますが、文化財保存業務の中で生じる歴史・民俗・美術工芸分野などでの資料調査や保存施策は、学芸係との協力のもとで迅速な対応が可能であり、かつ文化財保護の調査の中で確認された資料の保存公開について、速やかに対応できる体制であることから、博物館の中の組織として位置づけられているものでございます。
答弁:市長
博物館におきましては、市民が企画、運営される特別展に取り組んでおりまして、昨年の「千里ニュータウン展」に引き続き、本年は「 ‘07EXPO’70 わたしと万博」展を開催いたしました。昨年同様、市民の自由な発想によりますユニークな展示やイベントが多数行われまして、まさに、市民と行政との協働を一歩前進させての協創が出現したと実感したところでございます。今後も引き続き、市民との協働、協創により、市民に親しまれる展示やイベント等を工夫してまいります。
なお、博物館につきましては、吹田学や地域学あるいは歴史と自然史が一体となりました総合博物館を目指してまいりたいと考えておりますが、博物館協議会におきまして、中・長期の計画の策定に関します御議論をいただきます中で、市民の皆さんの御意見を十分にお聞きしてまいりたいと存じております。

