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2. 博物館の活性化について(全文)

質問

昨年10月に代表質問で風土記の丘・紫金山基本計画と博物館についてということで質問いたしました。平成14年度9月から1年間をかけて議論の末、博物館を考える市民会議が提言をまとめられ、これをきっかけに博物館の果たす役割、位置づけを見直す時期ではないかという内容のものでした。
現在、行政がサービスを提供する施設の管理や運営に関して、新規に建設する場合はもちろん建設意義が問われますが、既に建設された施設についてもいかに少ないコストでサービスの質を上げるのかが重要な課題となっています。博物館も例外ではありません。毎年2億8,000万円の税金を投入して管理運営する価値を市民に説明できなければならないはずです。私は、市民の目線で見れば、博物館のサービスには改善の余地が大いにあると考えています。

 

まずは確認ですが、吹田市立博物館の使命、ミッションは何でしょうか。最終的に目指す姿はどのようなものですか。設定している目標を教えてください。このミッションを達成する手段、方法はどのようなものがあり、現在どのような達成状況なのかお示しください。(↓答弁へ

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例えば、滋賀県立琵琶湖博物館の基本理念はテーマを持った博物館、フィールドへのいざないとなる博物館、交流の場としての博物館、この三つを掲げ絶えず成長、発展する博物館を目指して、研究・調査、交流・サービス、情報、資料整備、展示の五つの事業に取り組むとしています。このように目指すべきものをはっきり打ち立てていれば、今後の進むべき道や現状の評価ができます。

 

さて、ここまで博物館の使命、それを達成するための目標と手段、そして現状をお聞きしてきました。現状と目標のギャップや次なる展開を考えるに当たり、現状を評価するというプロセスが必要かと考えます。
前回、私は評価プロセスを導入すべきではというふうに質問いたしましたが、そのときの御答弁では、今後、他の自治体の評価制度などを調査しつつ、市民対象に事業、展示などのアンケートに取り組むとともに、評価制度の取り組みについて関係部局と協議してまいりたいとのお答えでした。

 

そこでお伺いします。その後、他の自治体を調査された事例と調査内容、その結果をお聞かせください。来館者または市民アンケートを実施したのか、していないのかをお聞かせください。実施していなければその理由、実施していればどのようなアンケートを実施したのか。また、結果は運営にどう反映されているのかをお聞かせください。(↓答弁へ

 .

さて、この評価という点に関して、現在吹田市が取り組んでいる事務事業評価があります。博物館も事務事業の一つとして評価がなされています。事務事業評価の内容、自己点検の第1次評価、評価委員会による第2次評価の結果、平成14年度から16年度にかけて評価を生かした点などをお聞かせください。(↓答弁へ

 .

博物館の組織内の事業効率化の改善という点では事務事業評価が使えるかもしれませんが、博物館の総合的な成果をはかる手段にはならないと考えます。例えば、展示評価などは事務事業評価では効果をはかることができません。しかし、博物館の市民へのサービス改善という点から見れば展示評価を行うことは重要です。

 

そこで、展示について少しお聞きしたいと思います。吹田市立博物館では須恵器の展示が主になされています。須恵器とは、青くかたく焼き締まった土器で、古墳時代5世紀の前半に朝鮮半島から伝わった焼成技術をもって焼いた焼き物のことで、それまで日本には野焼きで焼いた縄文土器や弥生土器など、赤っぽい素焼きの土器しかなかったものが、窯で焼くという技術の導入により実現したハイテクを利用した焼き物だそうです。
以前、来館者の方から須恵器の展示をして説明するなら、当時の紫金山あたりの様子や窯に使った樹木は何だったのか、どれくらいの量を必要としたのか、その須恵器はどのように使われたのか、当時の人々の生活の様子はどうだったのかなどを知りたいというのを聞いたことがあります。来館者の声としては非常に参考になるものだと感じました。
前回の御答弁では、地域博物館として歴史資料の蓄積だけでなく、情報の発信地としての機能を持ち、展示を基礎としつつ市民参加による開かれた博物館を目指しているとのことでした。
吹田市立博物館は、吹田風土記の丘・紫金山公園基本計画の中で博物館ゾーンとして公園と一体となり、歴史、自然の両面から活動する場と方向づけられています。
そこでお聞きしますが、現在の展示で十分に吹田の歴史情報が発信できていると考えておられますか。風土記の丘・紫金山公園基本計画における博物館の位置づけという視点もあわせてお聞かせください。
また、吹田市立博物館の展示評価を行ったことはありますか。行ったことがなければ、展示評価の必要性を感じているのかどうかお聞かせください。(↓答弁へ

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また、前回の御答弁でも市民参加による開かれた博物館を目指しているとのことでした。博物館を考える市民会議の提言もありました。この1年間で市民との協働の理念はどう実践されたのでしょうか。具体的にお聞かせください。(↓答弁へ

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次に、少し違った観点からお聞きします。事業の改善、改革をするときには、内部の現場で実践している人からの改善提案は当然ながら外部の目で見るということも必要です。外部という意味では博物館協議会があります。これまで協議会で議論されている内容と、その意見の反映について具体的にお聞かせください。(↓答弁へ

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外部という点では、今年6月館長がかわられ、国立民族学博物館教授の小山修三さんが就任されました。これは大きなチャンスだと思います。新たに就任された館長は外部の視点をお持ちです。これからの変革に大きく期待するものです。今回、小山修三さんに館長をお願いした意義と6月から半年が経過して、館長が考えられるこれからの吹田市立博物館はどのようなものか。市民との協働についてのお考えなどをお聞かせください。(↓答弁へ

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また、博物館に対し積極的に市民がかかわれることが外部の視点を持ち込み、よりよいサービスの提供ができることにつながると考えます。
そこで、当初から市民を巻き込み、一緒につくり上げていく企画展示の実施を提案いたします。この提案に対し、担当部、博物館担当者はどのような御意見をお持ちかお聞かせください。
あわせて、外部との連携として研究活動についても、地域密着型博物館として大学が行うような純粋な研究志向型ではなく、フィールドを対象に新しい研究の形を構築する必要があると考えます。大学や研究機関など外部との連携、館長と学芸員の方々、そして事務局との内部の連携、それぞれ連携という面での取り組みについてお聞かせください。(↓答弁へ

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さて、ここまで博物館の改善の必要性についてさまざまに意見を述べてまいりました。改めてお聞きしますが、担当部や博物館の現場の職員の方はどのように考えておられるのでしょうか。現状でよいと考えておられるのでしょうか。それとも改善が必要と考えておられるのでしょうか。現状でよいという場合は、その理由を、また、改善しなければならないと考えている場合は、どうして改善が必要と考えるのか、だれがそう考えているのか、実際に博物館の運営業務にかかわっている方が考えているのか。それとも、所管している社会教育部が問題だと考えているのか。どういった点に改善余地があるとお考えかをまとめてお聞かせください。

 

最後に、博物館が吹田市の文化的施策、教育施策として成果をあらわすには長期的な視野が必要でしょう。しかし、成果があらわれにくいからといってほうっておくというわけにはいきません。博物館のスポンサーは税金を支払っている市民です。行政は市民に対して税金の使い道には説明責任があります。
全国的に公共が設置した博物館の見直しが進んでいます。他市の先進的な成功事例を参考に、まずは吹田市立博物館を経営の視点から使命、目標、指標を明記した戦略的中期計画を立て、この計画実施をもとに評価を導入することを提案いたします。
形式的な計画では意味がありません。担当部署の積極的、自主的な取り組みを求めるものですが、どのようにお考えになるかお聞かせください。(↓答弁へ

 

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答弁2-1:社会教育部長

博物館の使命、設定する目標、目標達成の手段、方法などについてでございますけれども、博物館は埋蔵文化財を初め、地域のさまざまな文化財を調査し、保存する過程で得られました資料を収蔵し、公開するための地域歴史博物館として設立されたものでございます。
したがいまして、博物館の使命は地域文化財の保存と活用と考えております。そのため、常設展示、企画展示などの展示公開施設とともに、各種博物館事業、また、現地での公開事業などを行っております。
今日、市民が求める知的情報の質と量は、見る、聞くの手法にとどまらず、触れる、使うという従来の博物館では対応しにくかったことが求められてきております。 そのため、博物館では平成16年度(2004年度)事業で展示トーク、体験学習、出前講座、史跡ウオークなど、市民が積極的に参加できる新たなスタイルで進めており、博物館の資料と人的素材を有効に使い、さまざまな知的情報にこたえることを目指しているところでございます。

 

答弁2-2:社会教育部長

評価制度の調査、アンケートなどの実施と事業への反映につきましてでございますけれども、評価制度は財団法人日本博物館協会などにより、全国的な評価基準の設定に向けて作業が続けられております。
しかし、博物館設備、事業、活動内容が千差万別であり、評価基準や目標設定については非常に難しい問題があるものと聞き及んでおります。博物館でも評価基準を確立する必要があるとの認識のもと、他の館との意見交換なども行っておりますけれども、成果までには至っておりません。
また、アンケートにつきましては、継続的に動向を見るという市民会議での提案などもあり、平成15年(2003年)6月より博物館トークでアンケートを実施してまいりました。アンケートでは参加者の傾向がわかり、来館の情報源はダイレクトメールと市報すいたと認識しております。自由記述の欄では、実際に資料に触れ、体験したことについて喜びを率直に書かれていたり、専門的な見地からの意見等が見られました。今後とも教材の選択、資料の活用の方法、PRの方法などについて反映させてまいりたいと考えております。

 

答弁2-3:社会教育部長

事業評価の内容とその生かした点については、1次評価では公益性の高い事業であり、収益性になじまない部分が多いが継続した事業展開を求めています。2次評価では、全体的な費用の節減が求められております。
このような指摘を受けまして、博物館では展示事業、刊行物の印刷冊数や購入数、臨時雇用員の見直しなどにより経費の節減に努め、活性化事業など新たな取り組みに際しましては内部財源を充当するなど、経費節減に向けた努力を行っているところでございます。

 

答弁2-4:社会教育部長

現在の展示の情報発信の役目、また、風土記の丘・紫金山公園基本計画の中での博物館の位置づけや展示の評価についてでございますが、博物館の展示は常設展と年5回の企画展示を組んでおります。市民会議や博物館協議会からわかりやすい展示、図表など多用した視覚的な展示、歴史の中に自然を取り入れた展示などが指摘されてきました。今後の企画展示や常設展示の展示更新の折にはわかりやすい展示を目指してまいります。 また、平成13年(2001年)に吹田風土記の丘・紫金山公園基本計画報告書が市民参画のもとで策定され、そこには博物館地域を博物館ゾーンとして位置づけ、歴史にとどまらず自然を含めた学習対象、博物館の持つ専門性、啓発性を生かして市民参画を促進するような整備を行うこととされております。
公園整備後は、博物館の展示による資料学習と現地における学習が可能となり、学習効果の向上に大きく寄与するものと考えております。 なお、今後、博物館では紫金山公園の自然学習の一環とした野外展示として地質観察スポットの設置を計画いたしております。

 

答弁2-5:社会教育部長

市民会議の提言にある市民との協働につきましては、これまでにも歴史研究団体との共同資料調査や共催によります講演会、史跡ウオークなどを実施してまいりました。
また、むかしのくらしと学校展では、公募された市民ボランティアの参画を求め、市民と博物館、教員が協働して企画、展示制作を進め、開催中、小学校児童への展示解説や体験学習の指導に至るまで、すべての工程において市民のアイデアを反映できるような展示を考えております。

 

答弁2-6:社会教育部長

博物館協議会での議論につきましては、博物館協議会は平成5年(1993年)12月以来、年2回の年次の報告案件、事業計画、事業課題について協議していただきました。
また、13年度(2001年度)の博物館の活性化についての諮問以降は、この問題を中心に議論を重ね、市民会議の提言も精査しつつ協議を重ね、平成16年(2004年)3月に博物館の活性化についての答申をいただきました。
現在、博物館では市民参加体験型事業の推進、活性化事業の立ち上げ、地域連携として北大阪を視野に入れた博物館ネット構想の研究を進め、学校対応の展示、市民ボランティア、教員の参画などに着手しております。

 

答弁2-7:社会教育部長

館長の考える博物館像や市民との協働についてでございますが、館長は積極的に野外に出て人と対話をし、人を介した事業展開の中に市民の学習意欲をとらえ、博物館の新たな活動の糧にしたいと考えておられます。
また、展示にあっては一般に市民がだれでも理解できる展示テーマと展示手法をモットーとし、市民の目線での展示を行う姿勢でございます。
これは博物館の事業展開の一つの基準となるものではないかと考えております。むかしのくらしと学校展においても、市民、親子参加体験学習を特別に組み込むなど、より楽しめ、親しみのある博物館を目指すとされており、構想実現に向け努力する所存でございます。

 

答弁2-8:社会教育部長

当初からの市民参画の実施についてでございますが、むかしのくらしと学校展では企画段階から公募市民ボランティアの参画を求め、教員との意見交換会を経て展示制作を行い、開催期間中は展示解説、体験学習指導を行っていただくなど、展示事業の全工程での市民参画を予定しております。さらに、次年度以降におきましても市民参画の事業をさらに進めてまいる予定でございます。
次に、博物館運営につきましては、開館以来市民の知的文化を求める質と量が変化し、史跡ウオークなど、野外での活動、出前講座や出張指導などの依頼件数も多く、このような要請にこたえつつ調査、研究を継続しなければならない実態や、収蔵庫の不足や常設展示の展示更新などに、社会教育部として博物館職員一同が一丸となって取り組んでまいる所存であります。

 

答弁2-9:社会教育部長

最後に、博物館のあり方につきまして中期計画を立てた中での評価制度の導入でございますが、御指摘のとおり、成果は短期間のうちにあらわれるものではございません。今後とも市民の皆様が求める博物館として運営していくため他市の事例も参考にさせていただき、博物館の持つ使命を十分に果たせるよう、目標、指標を設定するよう努めてまいります。

 

質問2-2:要望(発言2回目)

博物館に関しまして御答弁をいただきました。博物館の職員の方々、担当部の方々が、これまでもいろいろな御指摘を受け、御努力されているということはよく理解しているつもりです。しかし、今回の御答弁で、私が最も気になったところは、博物館の使命は何ですかとお聞きしましたところ、地域文化財の保存と活用との御答弁がありました。 私が思うには、文化財の保存ということが使命であれば、博物館という名の建物は要らないのではないかと思うのです。文化財保存センターという形でいいのではないでしょうか。もし、これが民間の博物館なら、どんな使命を掲げようといいかもしれません。しつこいようですが、市立博物館である以上、オーナーは市民であって、市民が地域文化財の保存に2億8,000万円のお金を支払うということを、よしとするかどうかという判断だと思います。
滋賀県の長浜市に株式会社黒壁という組織があり、かなり有名ですので皆さんご存じかと思いますが、その元社長の観光カリスマの笹原氏が、古い町家を、ただ修繕し保存するということは、建物に死に化粧するようなものというふうにおっしゃったことを覚えています。 古いものに新しい文化をいかに創造していくかということに意味があると思います。文化を創造しようとするところに、そのパワーに人や知恵が集まってくるのではないでしょうか。博物館建設から10年が経過しています。その役割にも変化が求められていると、皆さん御自身でおっしゃられております。
そこで、吹田市立博物館というのはどのような社会的使命を果たす施設なのかということを、もう一度市民の目線に立って、市民とともに根本的に考え直していただきたいと、強く要望いたします。

 

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